有事の対応(不当要求対応要領)
セキュリティの基本として社員の皆さんに周知・実践していただくことをお勧めします。
来訪者のチェックと連絡
受付係員または窓口員は、来訪者の指名等の確認と用件および人数を把握して、対応責任者に報告し、応接室等に案内する。
相手の確認と用件の確認
落ち着いて、相手の住所、氏名、所属団体名、電話番号を確認し、用件の確認をすること。代理人の場合は、委任状の確認を忘れないように。
対応場所の選定
素早く助けを求めることができ、精神的に余裕をもって対応できる場所(自社の応接室)等の管理権の及ぶ場所を選ぶ。暴力団等の指定する場所や組事務所には出向かないこと。やむを得ず出向かざるを得ないときは、警察に事前・事後連絡をする。
対応の人数
相手より優位に立つための手段として、可能な限り相手より多い人数で対応し、役割分担を決めておく。
対応時間
可能な限り短くすること。最初の段階で「何時までならお話を伺います」などと告げて対応時間を明確に示すこと。対応時間が過ぎても退去しない場合は、不退去罪での被害届を出す旨を告げ、警察へ連絡する。
言動に注意する
暴力団員は、巧みに論争に持ち込み、応対者の失言を誘い、または言葉尻をとらえて厳しく糾弾してきます。「申し訳ありません」、「検討します」、「考えてみます」などは禁物です。
書類の作成・署名・押印
暴力団は「一筆書けば許してやる」などと詫び状や念書等を書かせたがりますが、後日金品要求の材料などに悪用します。また、暴力団員等が社会運動に名を借りて署名を集めることがありますので、署名や押印は禁物です。
トップは対応させない
いきなりトップ等の決定権を持った者が対応すると、即答を迫られますし、次回以降からの交渉で「前は社長が会った。お前ではだめだ。社長を出せ、社長が会わない理由を言え」などと喰ってかかられます。
即答や約束はしない
暴力団員の対応は、組織的に実施することが大切です。相手の要求に即答や約束はしないことです。暴力団員は、企業の方針の固まらない間が勝負の分かれ目と考えて執拗に、その場で回答を求めます。
湯茶の接待をしない
湯茶を出すことは、暴力団員が居座り続けることを容認したことになりかねません。また、湯飲み茶碗等を投げつけるなど、脅しの道具に使用されることがあります。歓迎するお客さんではありませんので、接待は不要です。
対応内容の記録化
電話や面談の対応内容は、犯罪検挙や行政処分、民事訴訟の証拠として必要です。相手に明確に告げて、メモや録音、ビデオ撮影をしましょう。
機を失せず警察に通報
不要なトラブルを避け、受傷事故を防止するため、平素の警察、暴追センターとの連携が早期解決につながります。
大原則(対応の基本)
暴力団等から不当要求を受けた場合、担当者が個人的に対応したり、担当者のみに責任を押しつけることは最も避けるべきです。
不当要求に対しては、対応の方針をあらかじめ検討し、組織として一丸となって対応することが何よりも大切です。